奥深き冬の奥日光の世界

MATSUMOTO | 29.Feb.2020 | 日本

日光といえば絢爛豪華な世界遺産「東照宮」が思い浮かびますが、実は日光のハイライトはさらに奥に入った「奥日光」にありました。そしてあえて「冬」に行くという魅力をお伝えしてみたいと思います。

日光の社寺と山岳信仰

日光東照宮を含む世界遺産「日光の社寺」は、奥日光に古くから伝わる山岳信仰と深い関わりを持っています。
日光の歴史は766年(天平神護2年)に勝道上人が男体山の山麓に四本竜寺を建立したのが起源だといわれています。以来、日光は「山岳信仰」の拠点として発展してきたそうです。日光の信仰は「男体山」「女峰山」をはじめとする日光連山からなる雄大な自然そのものが信仰の対象であって、日光の社寺は信仰をより一般に広めるためのいわば出張所のような存在だったのですね。つまり日光の本来の姿は奥日光にあり、とも言えるわけです。

二荒山神社の「二荒山」は「男体山」の別名。日光の語源とも言われています。

輪王寺の境内は東照宮、二荒山神社の境内とともに「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。

中禅寺湖〜水と雪の景観を楽しむ

世界遺産のある日光エリアから、曲がりくねった山道「いろは坂」を上り抜けると、一面に広がる水面「中禅寺湖」が現れます。かつて男体山の噴火によって作り出されたこの湖も信仰の対象とされてきました。

とにかく人影まばらな冬の中禅寺湖。何か事件が起きそうな雰囲気は古い日本映画のような趣があります。

奥日光地域を代表する滝の一つ「竜頭の滝」。

中禅寺湖からさらに山奥へ登りしばらくすると、今度は広大な湿原「戦場ヶ原」が姿を見せます。湯川、 男体山の噴火によって川がせき止めら れてできた戦場ヶ原。湿原から草原に移行する段階の小田代原。これらの内 260.41ヘクタールが「奥日光の湿原」としてラムサール条約湿地に登録されています。

広大な戦場ヶ原の向こうに男体山を望みます。

戦場ヶ原の西側に広がる周囲2キロの草原「小田代ヶ原」。「貴婦人」と呼ばれる1本のシラカンバの木が有名で、シーズンには毎年多くのカメラマンが訪れる場所となっています。

中禅寺湖の西側、同湖西岸の千手ヶ浜よりさらに 2km ほど西に位置する小さな湖「西ノ湖」を目指します。未踏の雪道をスノーシューで歩きます。

スノーシューをレンタルさせていただきました。

スノーシューで1時間。ついに現れた「西ノ湖」は、凍結した湖面に雪が降り積もって、不思議な空間を醸し出していました。

湯ノ湖周辺〜日光の奥の奥に温泉の都が

日光の奥に位置する「湯ノ湖」周辺。湖畔には奥日光湯元温泉があり、硫黄の臭いが立ちこめ豊富な源泉で旅の疲れを癒してくれます。
日光湯元ビジターセンターは奥日光の旅の拠点に。

「日光山温泉寺」は、世界遺産「日光山輪王寺」の別院です。全国でも大変珍しい、温泉に入ることのできるお寺。日光を開山した勝道上人が、この温泉を発見し、病苦を救う薬師瑠璃光如来様をお祀りしたのが始まりと言われています。

温泉が湧き出ています。

積もった雪が映えますね。

再び中禅寺湖畔。二荒山神社中宮祠へ。男体山の山頂にある二荒山神社奥宮と、日光市内にある二荒山本社の中間にあるので中宮祠と呼ばれているそうです。住職の方がおっしゃっていた「修行とは究極の自己満足」という名言が印象的でした。

湯ノ湖の南端にある高さ70メートル、長さ100メートルの滝「湯滝」。湯ノ湖から流れ落ちる水流は迫力満点。

古来より修験道の霊場として崇敬された二荒山神社。男体山山頂にある奥宮への入り口登拝口があります。日光三山を含む日光連山8峰(男体山・女峰山・太郎山・奥白根山・前白根山・大真名子山・小真名子山・赤薙山)や華厳滝、いろは坂などを境内に含んでいるそうで、その広さは3,400haという伊勢神宮に次ぐ面積だそうです。

日光で一番といわれる展望地点、明智平展望台。 中禅寺湖・華厳の滝・男体山など雄大なスケールで見渡せます。

奥日光の「ひな壇型地形」がよくわかります。

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